シワの無いしあわせライフ

シワを解消するプチ整形としては実は他にも、ボトックス治療というのがあります。「ボツリヌス・トキシン」というボツリヌス菌から精製されたタンパク質を治療薬として用いるもので、元のボツリヌス菌に含まれる毒性は完全に消し去られていて安全性についても問題ありません。これが、おでこなどの深いシワを、ほぼ完ぺきに解消してくれるのです。おでこばかりでなく、眉間や「への字」になった口角の醜いシワも、ボトックスでツルツル状態になってしまいます。

ボトックスの原理はボツリヌス・トキシンによる表情筋弛緩効果で、作るまいとしても自然にできてしまう「わるいシワ」を作らせないようにしてしまうというもの。もちろんユーザー本人の状態にマッチングさせて治療が行われますから、この治療を受けたからといって無表情になってしまうというものではありません。ターゲットとするのはあくまで「わるいシワ」だけです。

シワを肌に深く刻み込んでしまう原因の一つが皮膚そのものの老化です。近年の美容外科学会が最も注目している分野の一つが、実は医学の最先端と言われる再生医療なのですが、美肌治療の根本にはこの再生医療の思想とノウハウがあるのです。つまり、よれよれにくたびれてしまった皮膚そのものを元通りに復旧するのでなく、新しい美肌に入れ替えてしまうという「復興」がテーマになっているのです。

レーザーなどの照射治療による美肌やシワの治療は、これまでもかなりの実績を上げていて、注目されてはいたのですが、ここに再生医療のキモとしての幹細胞の利用がアダプトされることで、美容外科のアンチエイジング治療は新しい段階に入りました。原理としては、細胞の再生を促すIPS細胞(人工多能性幹細胞)の研究成果から生まれた細胞再生促進製剤とレーザー治療をコラボレートすることで、すでに多くのクリニックにおいて画期的な美肌再生の効果が確認されています。

美肌治療によって肌の肌理が細かく甦ることで、新しいシワが形成されるのが予防され、それまでに生じていたシワが改善されます。これに、これまで紹介したような注射治療が加われば、ほとんどのシワは解消されるのです。さらにここに、本格的なシワ解消治療としてリフトアップという技術が存在します。